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実用的な制御−単位系

 
制御系の計算をするときは必ず単位系を揃えなければなりません。
単位系にはMKS単位系とcgs単位系がありますが、MKS単位系が国際単位系になっていますので、できるだけMKS単位系で揃えましょう。
(私のように古い年代ではcgs単位系が主流でした。)

 
   MKS単位系     cgs単位系 
 長さ   m(メートル)  cm(センチメートル)
 重さ(質量)  kg(キログラム)  g(グラム)
 時間   s(セコンド)  s(セコンド)
 力   N(ニュートン)  dyne(ダイン)


MKS単位系では重さ(質量)の単位はkgです。
従って例えば、0.5gの重さは計算時には、0.5×10−3kgとしなければなりません。

例題:
1Nの力で1ms間加速した時、1mmの距離だけ飛ぶ重さはいくらでしょうか。
力をF、重さをm、加速度をa、飛ぶ距離をχとすると

 χ=1/2 at
 a=t/(2χ)=(1×10−3 / (2×1×10−3)=0.5×10−3 [m/s]
F=ma なので
 m=a/F=0.5×10−3/1=0.5×10−3 [kg] → 0.5g

 正解は、 0.5mg ではなくて 0.5g です。

ガウスとテスラ

電磁力を利用したアクチュエータやスイッチングトランスを設計・試作する場合、電気磁気学の教科書が役に立ちます。
大学で学んだことで実務で役に立っていることは少ないですが、交流回路と電気磁気学の2つは大変役に立ちます。

ところで磁束密度の単位はMKS単位系ではT(テスラ)ですが昔は CGS単位系のG(ガウス)を使うのが普通でした。
磁束密度計のことはガウスメーターと呼んでいましたが、今ではテスラメーターと言うのかなと思って調べてみると、ガウスメーターもテスラメーターもどちらも使われているようです。

例えばマグネットの強さ3kGとか言われるとどれくらいの強さかピンと来ますが、テスラで言われるとなかなかピンと来ませんが、1T=10Gで、最近は 3kG=0.3T と感覚的にわかるようになってきました。
子供の頃、気圧をミリバールで表していて、1気圧=1013ミリバールと習ってきましたが、最近の台風情報などを聞いていると○○ヘクトパスカルと言われるのでなかなかピンと来ません。
慣れの問題なので、そんなに重要な話しではありませんが。

アクチュエータのような電磁力の設計にはフレミングの左手の法則を、発電機のような誘導起電力を用いるものはフレミングの右手の法則を用いて設計します。
電気回路だと導体と絶縁体がはっきりしていますが、磁気の場合は差が少なく、それが磁気回路の設計を難しくしている理由かと思います。

≪続く≫ 
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