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デジタルサーボ基礎−デジタルサーボ

サーボは基準値とのずれ(誤差信号)を読み取りループフィルターを介して誤差信号が0になるようにドライブすることによって制御することです。

デジタルサーボは誤差信号をデジタル値で読み取り、あるいはAD変換して取り込み、デジタルフィルターを介してドライブすることによって制御することです。

デジタルサーボの代表的なループフィルターの例を示します。

PI制御

まずPI制御(比例積分制御)の例です。
例えば速度制御は加速度を与えることによって速度を制御するので機構系は一次遅れ(1回積分)です。
1回積分では位相は90度までしか遅れないので、速度誤差信号に比例する力を発生させれば安定に制御することができます。これがP制御です。
しかし負荷を与えると速度がずれること(いわゆる定常偏差)が発生するので積分項を追加して低域ゲインをアップします。これを積分補償とか低域補償と言い、低域補償した制御がPI制御です。
下図のオープンループ特性は機構系の一次遅れを含む特性です。
K=1の場合は完全積分になりDCゲインは無限大になり、K<1の場合は破線のようにDCゲインが制限されます。
ここで重要なことはゲインが0になる0クロス点では1次の線(6dB/oct の傾きの線)の範囲でなければなりません。
誤差信号にノイズを含む場合は0クロス周波数(ゲイン交点と言います)よりもずっと高い周波数でならLPFを追加することが可能です。



PID制御

次はPID制御(比例積分微分制御)の例です。
例えば位置制御は加速度を与えることによって位置を制御するので機構系は二次遅れ(2回積分)です。
2回積分は位相が180度遅れるので、位相を進ませてやらないと安定に制御することはできません。
進み位相は微分項で行います。これを微分補償とか位相補償とか高域ゲインが上がるので高域補償とか言います。
そして先ほどの低域補償と合わせてPID制御となります。
ここで重要なことは、やはりゲインが0になる0クロス点では1次の線(6dB/oct の傾きの線)の範囲でなければなりません。1次の線は微分項で作られます。



回転計とリニア系

回転系だとFG(Frequency Generator)をパルスカウントして速度情報をデジタル値で得ることができるので、デジタルサーボに向いています。
リニア系の場合は、多くの場合はAD変換して得たデジタル値を用いてデジタルサーボをします。



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