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ニッケル水素電池の充電回路を紹介します。
写真は弊社で開発したニッケル水素電池充電回路を含む製品の回路です。
単4サイズ電池2本を組電池にした 2.4V 800mAh の電池を対象としています。
側面(写真1では上面)からACアダプターで電源を供給します。
写真をクリックすると大きくなります。
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写真1 充電回路を含む製品 |
写真2 基板の裏側 |
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充電方式は−ΔV方式で、1時間充電です。
ニッケル水素電池は充電時の電圧変化が小さく、また温度で電圧が変化しますので電圧検出方式は使えません。
充電方式について説明します。
- 最初に 0.2C くらいの小さい電流で初期充電をします。
(C とは電池容量当たりの電流のことです。800mAh の 1C は 800mA になります。最近は lt とも言います。)
電圧が上がったら急速充電に移行します。
初期充電は電池が完全に放電しきっているときに大電流を流すと危険なのでその時は小さい電流で充電します。
通常は最初から電池電圧があるので直ちに急速充電に移行します。
- 急速充電は 1.1C の電流で行います。1時間で充電するために 10% 多めに流しています。
長時間放置した電池は不活性化といって電池容量が小さくなる場合があります。その場合、電池の内部インピーダンスが高くなって、
充電が完了しないのに疑似の−ΔVが発生する場合がありますので、急速充電の始めに−ΔV検出禁止時間と補正を設けています。
急速充電は−ΔVと言って電圧が下がると急速充電を完了します。(ノイズなどによる誤動作を防ぐためだいぶ長い時間電圧を累積します。)
この−ΔVが発生する理由は電池の温特によるもので、充電完了すると温度が上がり始め、ニッケル水素電池は温度が上がると電圧が下がる特性を
持っているため電圧が下がります。
- −ΔVを検出すると、それがもし不活性化によるものだと全然充電されないので、補充電として1時間くらい 0.2C の電流で追加充電します。
このとき充電LEDは消灯していますので、お客様から見たら充電は完了状態になっています。
(先ほど不活性化電池のために−ΔV検出禁止時間と補正を設けたと書きましたが、不活性化が激しい場合は内部インピーダンスが上がっていて
温度上昇が大きく、そのため急速充電は発熱防止のため止めてしまいます。)
- 補充電時間が過ぎたら微少な電流でトリクル充電をします。これは電池の自己放電を補うものです。
赤いコンデンサの下には8ピンの小さいマイコンがあって、このマイコンで上記充電シーケンスを制御しています。
(赤いコンデンサとその上のトランスは別の回路で充電とは関係ありません。)
写真1の 470 と書いた青い丸いものはコイルで PWM制御による降圧回路で低電流を得ています。
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写真3 赤いコンデンサの下側 |
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このように−ΔV充電は専用ICがないのと、シーケンスが複雑なため、通常マイコンで行います。
安田電子設計事務所で設計したニッケル水素電池充電回路は−ΔV充電と保護をしっかりとやっていますので安心です。
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